語法について(57)〜(64)
(57)「お前はもう死んでいる」を英語で言うと…?
「マンガの英訳本は、なかなかおもしろいです。『北斗の拳』のセリフは日常ではまず使わないでしょうけど。 You are already dead.とか」
「お前はもう死んでいる」ですか。これ読んで、やっぱり言葉って微妙だなあと思いました。「お前は死んでいる」というのは、You are dead.つまり、死んだ「状態」なんですよね。「お前は死んだ」=You died.では、死ぬという「動作」をしたことになってしまって、意味が通らない。まだ生きて動いている人間に対して「オマエ気付かないうちに死んでるぞ」と言うには、やはりdeadがピタッとくるのですね。
(58)Let'sは、We shouldに言い替えられる?
Let's get some coffee. というのを、ネイティブの英語教師が同じような意味の言葉として We should get some coffee. と言ったような気がしますが
ハイ。使えます。「助動詞を使った…」で、mustを強い勧めに使うという解説をしましたが、あれと考え方は同じといっていいでしょう。
私の友達ネイティブも、仕事の合間にウァーッと伸びをして、「コーヒーがなきゃ」みたいな感じで、こう言ってよく近所のスターバックスに出かけ、みんなの分のコーヒーを買ってきてくれたりします。
(59)Never underestimate the power of hard work. の主語は?
Weなどが省かれているのでしょうか
これは、一種の命令形。学校英語的に言えば、Don't underestimate...ということなんですが、Never...の方が口語的であり、「決してするな」という感じが強くなります。(主語は必要ないのですが、補うとすれば、youになるでしょうね)
(60)火星で起こる地震を、marsquakeと言うのは本当ですか?
「硬めのNature系の雑誌で読んだと思うので、学者さんが命名したのか、それともジョークでしょうか」
はい、marsquakeという単語は確かに存在します。以前、ASTRONOMER.COMにも、こんな記事がありました。
イギリスの天文学者が火星に小さな地震探知機を付けて、地下に水脈があるか、生命体がいるのかなどを調べはじめた…という内容です。
British scientists started building tiny 'Marsquake' sensors that will be able to detect underground water supplies and could help in the search for life on the Red Planet.
(61)「洋服が自分に似合っている」って何て言いますか?
It looked really me.
と日記に書きましたが、正しい表現でしょうか
はい。惜しーーーーい。近ーーーーーい。かなりイイ線いってます。
「私らしいと思う」ということなら、
I think it really looks like me.
I think it's really me.

でマルです。

「私に似合う」であれば、
I look good in that dress(shirtなど).
It looks good on me.
It becomes me.

あたりでしょうか。3つ目のは、正しいけど、ちょっとかたいかな?("Death Becomes Her"っていう映画、ありましたね。若返り&不死のportionを飲んで、体に穴が開こうが何だろうが死ねなくなった女性2人の話。メリル ストリープとゴールディー ホーンが出てました)
(62)「やり遂げる」はcarry out? follow through?
「辞書で例文を引くと、2例ありました。 口語的な表現はどちらなのでしょうか。
Are you going to carry out?
Are you going to follow through?
まず、I'm going to...という表現ですが、「やるつもり」、「やることになってる」って感じです。willの方が「ちゃんとやります、やる気です!」という感じが強く出ます。
口語的かという御質問ですが、どちらも口語的。accomplishなどの方が書き言葉的でしょう。「やり遂げる」を辞書で引くと、確かに、carry outcarry throughfollow throughpull offなどが出てきます。
もっとも一般的なのがcarry outでしょう。実行に移して、最後までやる、ということ。ネイティブいわく、carry throughとなると、 throughがついていることで「いろんなことをくぐり抜ける」感じがして、途中経過に重点が置かれるとか。

また、follow throughは、(計画などの)後に続く行動、最終仕上げ、遂行という意味があり、「長い時間を経るような」イメージがあるそうです。ネイティブが出してくれた例文が、I'll follow through my father's research.です。それくらい長い時間でもいいくらいなんですね。
pull offはちょっと変わっていて、「うまくやってのける」という感じ。良くないことや企みを遂行したときに使うものだそうで、お母さんが、Boy, you pulled it off.「あらー、やったわねえ」と息子のいたずらを見て言う感じらしいです。他に例を聞いたら、銀行強盗の新聞見出しとかにも使うかな、だとか。
ノン・ネイティブにはなかなか難しいですね。ネイティブのヘルプなしでは、とてもとても…。
(63)「感謝します」はI appreciate...と言うの?目的語は必要?
「映画でよく耳にしますが、目的語は聞き取れないことが多いのです。
I appreciate it so much.
とかとなるのでしょうか」
その通り。appreciateは、目的語が必要です。Thank you.よりフォーマルな「ありがとうございます」として、I appreciate it.がよく使われます。この場合はitiの音がappreciatetの音とくっついてしまうittは飲み込まれてしまうので、確かに聞き取りにくいでしょう。

このように、必ず目的語を伴う動詞を、他動詞といいます。一方、目的語をとらない動詞を自動詞といいます。
たとえば、他動詞のappreciate(感謝する)やlove(愛する)などは、何もないのに感謝したり、相手がいないのに愛したりということはなく、対象がないと成立しない行為です。しかし、自動詞walk(歩く)などは、自分が歩いたらそれで成立、対象を必要としません。
このような自動詞と他動詞の区別は、辞書に「自」「他」として出ています。同じ単語が自動詞であり他動詞である場合もあります。たとえば、eat(食べる)など。「〜を食べる」という意味では他動詞、「食事をする」という意味では自動詞です。
(64)「がんばります」を英語にしたいです。
I'll keep on trying.
I'll give it my best doing.

などを思いついたのですが、どうでしょう
「がんばります」は、日本人が大好きで、しかも英語になりにくいんですよね。シチュエーションや訳者によって、いろいろな訳語が考えられると思います。
tryも、自動詞と他動詞、両方ありますね。「〜しようと努力する、〜を試す」というときの他動詞と、「やってみる、努力する」というときの自動詞。
I'll keep trying.
I'll keep on trying.

の、2つの言い方が可能です。ネイティブに聞いてみたところ、ほとんど同じだけど…と前置きして、こう言っていました。keep tryingが「やり続ける」というニュートラルな感じであるのに対し、keep on tryingは、onに「どんどん、続けて」という意味があるため、「あきらめずに、なげださずに、くじけずに」などのニュアンスが出るとのこと。口語では、keep on tryingを使うことが多いそうです。

そして2つ目の文。give it my bestなんて、あいまいなitが出てきた時点でたいしたもんです。確かにdoingが余分ですね。
I'll give it my best.
で正解です。 これからも続けて努力する、という意味で、
I'll continue to do my best.
という言い方もできます。