THEATER
第191回 『インタビューを読む Tom Cruise 3
今年も残すところあと一週間ほど。やり残したことはないですか?今更あがいても始まらない?では、しばらくこちらにお付き合いくださいませ。
今週も、前回に引き続き、The Last Samurai主演のTom Cruiseのインタビューを読んでみましょう。

どんどん熱を帯びてくるTomの語り口。今度は、彼の武士論が飛び出します。

I look at the Samurai because they were the artists of their time, who were educated to be leaders and to lead and actually help people. What I think struck me when I read Bushido is compassion . . . If there's no one there to help go out and find someone, to help - that hit me, because I try to lead my life like that.

僕が侍に注目するのは、彼らがあの時代のアーティストだったから。彼らはリーダーとなるため、人を導き、実際に助けとなるよう教えられていた。僕が「武士道」を読んで衝撃を受けたのは、その慈悲だと思う…。もしも助けるべき人がそこにいなければ、出ていって誰かを見つけ出す、助けるためにね。それが僕の胸を打った。なぜなら、僕は自分の人生をそんなふうに送ろうと心がけているからだ。

特に後半、いかにも口語らしいものになっていますね。someoneと言った後にto helpと付け加えたり、先にwhat struck meと言っているのに、後からまたthat hit meと言い足したり。いかにも彼のナマの言葉という感じで、臨場感があります。

武士がアーティスト。彼らしい見方では?
物を作るからアーティストなのではなく、生き方をアートととらえる。ここで疑問。そもそも、アートって何なのでしょう。
The American Heritage Dictionary of the English Language: Fourth Edition. 2000.でartをひいてみます。最初に、
Human effort to imitate, supplement, alter, or counteract the work of nature(自然をまねる、補足する、変える、または逆らうという人間の努力)
という意味が出ています。そして、
The conscious production or arrangement of sounds, colors, forms, movements, or other elements...(意識的な、音、色、形、動きその他の要素のアレンジや生産)
が二番目に来ています。
なあるほど。自然に対するhuman effort自体が、それこそがart。そしてそれがあって初めて生まれる画や音楽といったものは、結果的に生まれる副産物の一例であると言えそうです。「アート」というとすぐに「作品」と考えるのは、本末転倒なのですね。
とすると、侍をartistと呼んだTom Cruiseの見方にも、大きく納得。私は「武士道」は読んだことがないのですが、武勇、忠誠、礼節、弱者や女性ヘのいたわりを重視する騎士道(knighthood)と、やはり通ずるものがあるのでしょう。

来週は、The Academy Awardsの前哨戦といわれるThe Golden Glove AwardsThe Best Supporting Actor(助演男優賞)候補に選ばれたばかりの渡辺謙のインタビューを、英語で読むことにしましょう。お楽しみに。


I'm not a big fan of Tom Cruise, but what he says here is very interesting.
What does he say?
He says Samurais are the artists of their time.

私はトム クルーズがすごく好きってわけじゃないんだけど、彼がここで言ってることはおもしろいと思うわ。
何て言ってるの?
侍は、あの時代のアーティストなんだって。