TELEPHONE
第134回『電話を“借りる”ということ
すっかり日が短くなり、5時にはもう暗くなるようになりました。秋の夜長、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。あとしばらくすると、忘年会や年賀状書きなどに追われることになります。今のうちに、のんびりした夜を楽しんでおきましょう。
今週は、「電話を借りる」という表現についてお話しします。

どこかのお宅へお邪魔して、「電話をお借りしていいですか」と言うとき、何と言うのが良いのでしょうか。「借りる」とくれば真っ先に思い浮かぶのがborrowですね。しかし、「電話を借りる」は、英語でこう言います。

May I use the phone?
電話をお借りしていいですか。

なぜborrowを使わないのでしょうか。それは、borrowが基本的に「持ち運びできるものを無料で借りる」ことを意味するから。「借りる」ではなく「使わせてもらう」というのが英語の言い方です。

これは、「トイレを借りる」も同じ。便器を持って行くのとは違いますから、use the bathroomと言います。「名前を借りる」も、持ち運ぶものではないので、use his nameなどのように言います。

余談になりますが、私の友達は先日レストランで連れを探していて、ウェイトレスにToilet?と声をかけられ、Hah?と返事をしたら、まごまごした彼女はUh...You look like toilet.と言い、部屋の隅を指したんだとか。
キョロキョロしている彼を見て「トイレに行きたいようですね」と言いたかったんでしょうが、これでは「あなたは便器にそっくり。あっちへ行きなさい」という意味になってしまいます。言われた友達は、彼女の言いたいことは分かったので、すましてThank you.と言ったものの、途中で吹き出してしまったとのこと。ネタかと思いましたが、本当のようです。
私は彼女の素直な親切心が素敵だと思います。言葉に自信が無くて無視する人だって多いのに。

borrowは、お金を借りるときにも使う言葉です。基本的には「無料で借りる」ことを意味するborrowですが、個人の無利子の貸し借りだけでなく、銀行からお金を借りるときにもborrowは使われます。

He borrowed a million yen from the bank.
彼は銀行から100万円借りた。

では、お金を払って借りるときにはどう言うのか。rentleaseが使われます。

I rent this apartment for 80,000 yen a month.
私はこの部屋を1ヶ月8万円で借りています。

I took the building on a 5-year lease.
私はそのビルを5年契約で借りました。

それでは、来週もお楽しみに。


May I use the phone?
Sure. Do you know where it is?
No.
There's one in the kitchen.
Thank you.

電話を借りてもいいですか。
もちろんよ。どこにあるか分かる?
いいえ。
キッチンに一台あるわ。
ありがとう。