TELEPHONE
第121回『間違い電話「番号を間違えたに違いない」
夏休みが終わり「やっぱり英会話やろうかな」と思った方もいるでしょう。英会話学校に高い授業料を払って自分を追い込むのも一つの手段ですが、タダで使えるものを活用することも重要です。
今週は、間違い電話をテーマにお送りします。

面と向かっての会話なら、身振り手振りや表情でなんとなく伝わる部分がありますが、声だけ、しかもちょっとくぐもって聞こえるため、初心者にとって電話での会話はなかなか難しく感じられるものです。しかも、あなたがアメリカにいる場合、日本にいる外国人とは明らかに立場が違います。英語ができて当たり前の世界なので、こちらが少々どもったり訛ったりしているからといって、相手は話すスピードを緩めてはくれないのが普通です。

さて、私と同時期に留学したMariさんの話。ある日、寮にいた彼女のもとに、大学内の病院から電話がかかってきました。相手の第一声が何か違ったような気はしたものの、少し前に風邪をひいてお世話になったばかりだったし、電話での英会話への緊張もあって、そんな違和感は瞬時に忘れてしまいました。
How are you?(調子はどう?)I feel better now.(今はずいぶんいいです)Oh, that's good.(あら良かったわ)などと会話が進むと、看護婦はMay I ask you some questions?(あなたに少し質問があるけどいいかしら)と言い出しました。
All right.(いいわ)と答え、Do you have a fever?(熱はある?)、Do you have any pain?(どこか痛い?)などと聞かれるままに、No. Yes.などと答えたMariさんでしたが、When was your last period?(最後に生理が来たのはいつ?)と聞かれて、さすがに「え?」と思いました。つたない英語で、Why?(なぜ?)と聞くと、看護婦は、I need that information for your operation.(あなたの手術に必要な情報なのよ)と言うではありませんか。
O-o-operation? No, I don't need any operation.
(しゅ、しゅ、手術?私は手術なんていりません)と答えると、You're Suzan, aren't you?(あなた、スーザンでしょ?)と看護婦。スーザン?ようやく間違い電話に気付いたMariさんは呆然とし、No, I'm not Suzan.と一言。看護婦は電話の向こうでOh, no.と爆笑し、
I'm sorry. I must have the wrong number. Thank you for your patience.
(ごめんなさい。番号を間違えたに違いないわ。辛抱強くつきあってくれてありがとう)
と言って笑いながら電話を切りました。
爆笑看護婦さんが電話を切った後、Mariさんはかーっと赤面し、その後やっぱりおかしくなって、1人でクックッと笑ったそうです。その話を聞いた日、私は一日、彼女をSuzanと呼ばせてもらいました。

さて、今日のキーフレーズは、もちろんコレ。「must 動詞」は、「〜に違いない」という意味です。

I'm sorry. I must have the wrong number.
番号を間違えました。

上級編がこちら。「must have 過去分詞」は、「〜したに違いない」という意味です。

I'm sorry. I must have dialed the wrong number.
私は間違った番号にかけてしまったに違いありません。

来週も、間違い電話についてお話しします。お楽しみに。


Hello. Is this the Smith residence?
No, it isn't.
Oh, I'm sorry. I must have the wrong number.

もしもし。スミスさんのお宅ですか?
いいえ、違います。
ああ、すみません。番号を間違えたにちがいありません。