TRANSPORTATION
第85回『トランクを開けて。この住所へお願い』
東京都心はここ数日でいきなり寒くなったような気がするのですが、皆さんがお住まいの地域ではどうですか?今週から、いよいよ本格的な忘年会シーズンに突入ですね。酔って帰ってソファーで熟睡、なんてことにならないように気をつけましょう。

先週は、電話でタクシーを呼んで乗り込むところまでお話しました。以前にお話したように、法外な値段を要求されることのないよう、運転手さんに先に値段を聞いてから乗るのが安全です。
もしもたくさん荷物があって座席に乗せきれない場合は、トランクを開けてもらう必要があります。これは簡単。

Could you open the trunk?
トランクを開けてくださいますか?

Could you help me with the suitcase?
スーツケースを(上げるのを、運ぶのを)手伝っていただけますか?

trunkという単語には、いろいろな意味があります。辞書には、だいたいこんな感じで出ています。
(1)樹木の幹、(2)(首、手足と区別して)胴体、(3)旅行用大鞄、(4)ゾウの鼻、(5)(複数形trunksで)ボクシングや水泳用のトランクス、(6)車のトランク(英国ではboot)
てんでバラバラのようですが、共通するのはやはり「幹」「筒」のイメージ。これら6つの他には、(体の)神経幹、河川の主流、鉄道の幹線などの意味もあります。
日本でトランクと言えば(3)か(6)のどちらかですね。しかし、(3)の旅行用大鞄というのは、suitcaseよりも断然大きな、ちょっとやそっとじゃ持ち運べないくらいのを指します。私が今読んでいる小説、Richard Wright著"NATIVE SON"には、主人公である黒人男性が誤って殺してしまった白人女性をtrunkに入れて運ぶシーンがあります。そんなことができるくらいの大きさですから、♪trunkひとつだけで浪漫飛行♪は、ちっとも身軽じゃないわけです。

たいていの運転手さんは、こちらから声をかけるまでもなく、荷物を見るとトランクを開けて車から降りてきてくれます。もしも車から降りてこないような人だったら、その車は見送った方がいいかもしれません。トランクを乗せた途端にブーンと走り出されたら、あっという間に大切な荷物が消えてしまいます。

車に乗り込んだら、行き先を告げます。住所を書いたメモを渡すのもいいでしょう。

To the Hilton Hotel, please.
ヒルトンホテルまでお願いします。

Take me to this address, please.
この住所までお願いします。

来週もタクシーについてお話しします。お楽しみに。

Could you open the trunk?
Yeah. Hold on. Let me handle that.
Thank you.
Where are you going?
Take me to this address, please.
All right.

トランクを開けてくださいますか?
ああ。ちょっと待って。私がやりますよ。
ありがとう。
どこへ行きますか?
この住所へお願いします。
分かりました。