「勉強なんか大嫌い」という方に英会話のコツを伝授しようという当コーナー、今月は海外旅行に出かける方々のために、「相手の言っていることがわからないときに言うフレーズ」を特集します。
「あ、アイ・キャント・スピーク・イングリッシュ!」
外国人に話しかけられるとこう言って逃げるように立ち去る日本人。でも、想像してみてください。あなたが海外で困って現地人に声をかけたのに「ワタシ、ニホンゴシャベレマセンッ!」と言って立ち止まってもくれなかったら?「アンタ日本語しゃべってるじゃないのっ」とつっこみたくなりませんか?
逆を考えてみましょう。海外からのお客さんが「コンニチワ」などと片言の日本語であいさつすると、日本人は「日本語がお上手ですね」と言います。それを通訳が伝えると、その彼はたいてい「スコシ」とかA little.という返事をします。日本語しゃべれません、とは言いません。だって、あいさつできるんですから。
アメリカに留学したての頃、友人がピアノが弾けると言うので一曲聞かせてもらったことがあります。彼女は喜んで子供の玩具の小さなピアノに片手を置いて、何度もつかえながら♪Twinkle Twinkle Little Star (きらきら光る〜お空の星よ〜)♪と弾いてくれました。弾き終えた彼女は Did you like it? (気に入ってくれた?)と自信満々。
「Great. すごいね」と言いながら、私はカルチャーショックを感じていました。 日本には「猫ふんじゃった」くらいなら両手で弾けるという人がゴロゴロしていますが、「ピアノ弾ける?」と聞かれたら「弾けない」と答えることでしょう。日本人は「弾ける」と言うからにはピアニストのように弾けなければいけないと思い込んでしまっています。でも英語圏ではそうじゃない。曲らしきものが一曲できれば「弾ける」のです。ピアニストは「素晴らしく上手に弾ける人」ということ。
つまり、日本人はみんな英語をしゃべれるのです。あいさつ程度だったり、仕事で使えるほどではなかったり、とレベルに差はありますが、「しゃべれるか、しゃべれないか」という問いならほぼ全員が「しゃべれる」。日本人の多くは、英語がしゃべれないのではなくて、頭の中にはいろんな単語が入っているのに会話することに慣れていないだけなのです。
ホテルのフロント、レストランなどで英語で話しかけられて困ったとき、I can't speak English.と言うのはやめましょう。そもそも英語でそう言うこと自体がおかしいし、言われた方も困ってしまいます。「英語は少ししか話せません」と言って、聞き取る努力をするのが正しい対処の仕方です。
I speak very little English. ほんの少しだけしか英語を話せません。
次回は「何と言いましたか?」の簡単な言い方についてお話します。お楽しみに。
それでは、一緒に会話してみましょう。
◆I'm sorry. I can't speak English.
◆Yes, you can. You're speaking it.
◆I mean I speak very little English.
◆I see. I'll speak slowly.
◆すみません。英語が話せないんです。
◆いいえ、話せますよ。話してるじゃないですか。
◆といいますか、ほんの少しだけしか話せないんです。
◆分かりました。ゆっくり話すようにしますね。